230104 ランダム
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☆彡に願いを。。。

☆彡に願いを。。。

☆nah(ナー)のお話☆

Nahは本当に不思議な猫でした

彼との出会いはある日の夜中です

その日 駐車場からアパートの部屋に戻る途中で 彼と会いました

猫にしてはとても大きな体でしたが鳴き声がそれはそれは可愛らしくて

「な~ん」 「な~ん」 と甘えながら擦り寄って来ました

「可愛いね~」なんて言いながら撫でてたのですが・・・ 
首輪はしてなかったけれど余りの懐っこさに飼い猫だろうと思いました

「じゃあね お休み。車に気を付けてちゃんとお家に帰るんだよ」と言い残してその場を去ろうとしました

でも彼は私を先回りして アパートの階段の下に回りました

私が階段を上るとテクテクと付いてきます

部屋のドアを開けて 「入る?」と聞いてみたら
「な~」 と返事をしながら部屋の中に落ち着きました

本当にどこのコだろう?
飼い主さん心配するよなぁ・・・と思いつつ 帰りたそうな気配がまったくないので(ドアに行くとか)そのまま家に泊めました

次の日も私が出掛けるためにドアに行っても 彼は帰る気がさらさらないみたいなので 急いで猫トイレ&砂を購入しました

その日から 突然Nahとの同居が始まりました

彼は 思い出したように! 本当に時々 猫らしく擦り寄っては来ますが だいたいいつもは考え込んでいます
窓から外の景色を見ながら・・・
物を言わない哲学者の風情で・・・

そんな感じで あまり猫らしくない猫でしたが 時々 撫でて 付かず離れず
の同居暮らしでした


何日か過ぎて 家に宅急便が来ました
玄関でやり取りをしている時に 開けたままのドアから 彼が飛び出して行きました!
ビックリして呼んだけれども そのまま行ってしまったので きっとお家が恋しくなって帰ったんだろうな と諦める事にしました
彼との同居はとても突然始まって突然終わったな・・・と

一緒に居た子が居なくなって とても寂しかったけれど 彼には彼の暮らしがあったのでしょう

本当に寂しくてNahの事をお風呂でしみじみ考えていたら どこからか 又 Nahの声が聞こえてきます

「な~ん な~ん」 とうとう幻聴まで聞こえるようになった?

自分で自分にビックリしてしまいました

でも・・・声は確実に聞こえてきます

「もしかしてNahちゃん? 戻って来たの?」声に出して聞いてみました
「な~ん」 返事が聞こえます

慌ててお風呂から飛び出し 玄関ドアを開けたら 当然のように Nahが帰って来ました

お家に帰ってしまったと思って 寂しい思いで居たけれど・・・

そんな事はお構いなし ちょっと外出してきたよ の風情で当然のようにくつろぐNahちゃんに驚くやら嬉しいやら・・・


Nahはいつも私と一緒に居ました

車で出掛ける時も 「一緒に行く?」 と聞くと
「な~」と返事をするので 抱っこして外にでました

すると彼は私の腕をほどいて 自分の足で歩いて駐車場に行きます
そしてドアを開けると自分から車に乗ります

帰りもドアを開けてあげると自分から車を降りて アパートまで先回りして階段を上り ドアの前で私が鍵を開けるのを待って 先に部屋に入ります

本当に猫なんだろうか? 犬みたいだし人間みたいだし・・・

本当に本当に不思議なコだなぁ・・・

Nahはまるで私を飼い主に指名したみたい

「飼い主に選んであげるよ」って・・・

そうやってNahに選ばれた?私は もちろん嬉しいやら困惑するやらの日々
でもずっと一緒


仕事で何ヶ月か地方に行った時も アパートを引越しした時も 一緒に来ました

Nahはいつもいつも窓から外を見ていました

隣の部屋の子供が窓越しに
「あ!猫ちゃんが居る!」とNahに話しかけてきました
「な~」 Nahはもちろん返事をします
「猫ちゃんはお話するの?」
「な~」
「凄いね言葉わかるの?」
「な~」 ってな感じで 子供がしゃべれば相槌を打つ
そうやってしばらくの間 子供とNahでおしゃべりしてたのがとても印象に残ってます

本当に Nahは言葉が分かってるようでした
私が話しかけてもきちんと反応するし 行動するし・・・
猫の姿をしてるけど猫じゃないみたい っていつも思ってました


私が実家に戻って 次々に猫ちゃんが増えた時も
「仕方ないな」 って感じで当たらず触らず

他の子と接触はしないので いつも孤高の存在

何か要求がある時だけ 一生懸命鳴いて訴えるけれど・・・ 


何年も前に尿道結石になってしまって とても痛い思いをしました
オシッコが出なくて病院に連れて行き あまりの痛さに悲鳴をあげながら治療をした事もありました 

その日からは彼を苦しめない為に病院のPHコントロール以外は一切あげなかったのでその後はオシッコも快調でした


あの時の治療以外は注射の時もとても大人しくていい子にしてました





9年間一緒に過ごして来たNahちゃんとの別れの時はやってきました


去年の4月 体がとても大きくて太っていたのに
だんだんとやせ細っていくNahを連日病院に連れて行きました

診察が終わると 「早く帰ろう!」 って自分から診察台を降りてさっさとキャリーに入ります
診察が終わったのに私が先生と話をしてると「な~な~」と早く連れて帰れ と催促します



4月22日に音ちゃんが虹の橋を渡りました


音ちゃんとNahと ほぼ同じ時に病院通いが始まってました

音ちゃんは Nahちゃんの治療が出来るように 私が全力でNahちゃんに向き合えるように自分から身を引いてくれたのかもしれません
(私にはそうとしか思えません 音ちゃんごめんね! ありがとう!!)


Nahは私に出来る事を(看病やら病院通い)やらせてくれました
最期の時も私と一緒に過ごしてくれました
ゴールデンウイークで仕事に出掛けない時期を看病の時間に選んでくれたのかもしれません
私が後悔をしないように・・・

食事も出来なくなって 
でもそれでも何とか食べさせたい私がミルクをあげると
体が動かず寝返りも打てないのに一生懸命舐めてくれました

本当に苦しかったでしょう それでも一生懸命頑張って生きてくれました


そして安心して虹の橋を渡ったと思います






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